地震保険入ってますか?
私は2016年の熊本地震で、初めて大きな地震を経験しました。
自宅で夫と食事中、「ドンッ!」という衝撃で椅子から転げ落ちました。
夫に救い上げられ、揺れが続くなか二人で壁にぶつかりながらも、裸足で家の外に逃げ出しました。
夜勤中(元看護師)で「余震もだいぶ落ち着いてきましたねー」なんて先輩と話している時に7階で地震にあいました。
片付けたばかりのナースステーションの物たちが無残に散乱していくさまを、大きな揺れのなか意外と冷静に見ていたのを覚えています。
地震後はしばらく車中泊など不自由な生活を強いられた私ですが、今回は「地震保険は不要」というお話をしていきたいと思います。
結論から言うと「地震保険は不要」。
しかし、それでも入っておきたい!という方が絶対すべきことは「一括見積もりをとる」ということです。
それでは具体的に説明していきます。
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地震保険でおさえておくポイント
まず地震保険とは地震・噴火・津波による火災や損壊・埋没・流出による損害を補償してくれる保険です。
そして、地震保健は火災保険の中に含まれており、単体で入ることはできません。
オプションのような存在の地震保険ですが、加入率はどれくらいかというと、全世帯の約3割弱です。
想像以上に少ないですよね。
地震保険の内容は保険会社で違う?
地震保険は、どこの会社でも補償内容や保険料は変わりません。
なぜなら「地震保険法」に基づいて、政府と各保険会社が共同で運営しているからです。
また大規模な地震が起きたとき、被害額は巨額となるため、保険会社だけだ対応しきれなくなることが予想されます。
よって、保険会社が負担する上限金額を超えた場合は、政府が負担する仕組みとなっているのです。
所在地によって地震保険の保険料は違う
地震保険は建物の構造と住む場所によって保険料が違います。
例えば…
保険金額:1000万円
保険期間:1年
- 東京都の木造戸建て|33,000円
- 石川県の木造戸建て|11,000円
- 高知県の木造戸建て|28,000円
こんなに住む場所によって差があるんです。
これは、都道府県毎に地震発生リスクによって1~4等地までランクが付けられているためです。
地震保険で補償される金額
地震保険で補償される金額は、火災保険で設定した金額の50%までと決まっています。
しかし上限が設定されており、建物は5000万、家財は1000万までが限度です。
50%って少なくない!?と思われる方もいるかもしれませんが、そもそも地震保険は家の再建を目的としているものではありません。
地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的としているのです。
地震保険の被害区分
地震保険は被害状況により4段階に分類しされています。
- 全損
地震保険金額の100%
※時価が限度 - 大半損
焼失、流失した床面積50~70%
地震保険金額の60%
※時価の60%が限度 - 損害が建物の時価額50~70%
- 小半損
焼失、流失した床面積20~50%
地震保険金額の30%
※時価の30%が限度 - 一部損
地震保険金額の5%
※時価の5%が限度
実際に火災保険2000万、地震保険1000万の例で見てみると…
- 全損:1000万
- 大半損:600万
- 小半損:300万
- 一部損:50万
大体これくらいの保険金が支払われることになります。
なぜ地震保険は不要なのか
賃貸の人はそもそも不要
賃貸物件は自分の物件ではないので、建物の補償は不要ですよね。
よって家財補償がメインとなってきます。
家財とはテレビや冷蔵庫などの家電製品や家具類です。
上述しましたが、地震保険での家財への保険金額は…
- 火災保険で設定した金額の50%まで
- さらに上限金額1000万円
- 損害のレベルによって4つに区分
以上のように設定されているため、火災保険料に比べて地震保険料がリスクに対して割高です。
また家財もそれほど大きな金額にはならないと考えられるため、賃貸物件の場合はなおさら地震保険は不要と考えます。
マンションの場合は不要
持ち家であってもマンションの場合は不要と考えます。
なぜなら、大地震があっても建物が全壊するケースがほとんどないからです。
よって「一部損」になる可能性が高く、その場合支払われる保険金は5%となります。
それでは生活再建はできませんし、毎年保険料を払う掛け金へのリターンが合ってないですよね。
地震保険があってもなくても…
仮に最近戸建てを購入し、多額のローンが残っている人が大地震にあい、家が全壊したとします。
この場合、保険金をもらっても多額の借金が残るのは同じで、地震保険に入っていようがなかろうが、どちらにせよ生活再建は難しいですよね…
家が全壊するほどの地震に見舞われたとすれば、そもそも仕事どころじゃなくなり、収入もなくなり、そんななか住宅ローンを返していくのは厳しいです。
そんな状況になったとしたら、私だったら潔く自己破産を選択します。
また、家屋が全壊したら、国から被災者生活支援金が受けられます。
最大300万円となっていますが、こちらは必ず頭に入れておきましょう。
最低限の生活費の確保が優先
保険はいざというときに、生活資金を確保するためのものですよね。
それなら、いざというときのお金は貯金しておくことがベスト。
震災が起きたとき、生活再建のお金が出るだけで、命が助かるわけでも、怪我が治るわけでも、家を元通りにできるお金が出るわけでもありません。
地震保険は最大(全損)で火災保険の50%であり、あの東日本大震災のときでさえ被災した人の7割が一部損壊の判定だったのです。
もらえるかもらえないかわからない保険に対して、毎年毎年払い続けるのはリスクとリターンが合っていないということを理解しておきましょう。
地震保険は不要論のまとめ
前述しましたが、保険よりも最低限の生活防衛資金が大切、要は貯金です。
貯金がないから保険に入らないといけなくなり、保険貧乏になる。
そして保険に入るから貯金が貯まらなくなる。
圧倒的に地震が起きない可能性の方が高いので、保険に入るより貯金を先に作る。
可能性の高い方をとっていくようにしましょう。
必要最低限の保険にしぼる
ここまで話してきて「保険に対して否定的」と思った方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
「何でもかんでも不安だから入る」ということをやめよう!と言いたいのです。
つまりは必要な保険を見極めてほしいのです。
じゃあ最低限の保険って何?となると思うのですが…
- 火災保険
※自転車保険はセットでも良い - 自動車保険
※車両保険は不要! - 掛け捨て生命保険
※自活できない家族がいる場合のみ
以上です。
本当に必要な保険に絞り、そして浮いた分をちゃんと貯金しておきましょう。
本来の目的を見失わない
地震は壊滅的な被害を受ける可能性はありますが、生活を再建できるだけの金額には心もとなく、リターンが合いません。
他の火災保険・自動車保険・生命保険はいざというときに出る保険金額と、掛け金がリターンが合います。
そして保険の話をした時、損した得したという人を多くみかけますが、保険はいざという時に生活が困窮しないために入るものです。
「当たった外れた、損した得した」と損得の考えになるのは、もはや保険の本来の目的を見失っていますよね。
保険は不幸のギャンブルとも言い、当たった人に聞けば「入ってた方がよい」と言いますし、外れた人に聞けば「入らなくてよかった」と言います。
要はパチンコと一緒で、その日パチンコに勝った人に聞けば「行ってよかった」、負けた人に聞けば「行かなければよかった」と言いますよね。
しかし、保険は違います。
損得のために入るものではないということを、しっかり考え方として理解しておきましょう。
いざという時に頼れる存在
本当に困ったことが起きたら、家族や友人など頼れる人に頼るということもできます。
もちろんお金を借りるという意味ではなく、住むところがなくなったときなど、助けてくれるのは保険ではなくそういった存在ではないでしょうか。
いざという時のお金はしっかり貯金を行い、普段から「周りの人との信頼関係を築く」
これも目に見えないひとつの保険。
信用は最大の資産です。
どうしても地震保険に入りたいなら
地震保険は不要と述べてきましたが、家のローンを組んだばかりで貯金もなく不安…など、どうしても保険に入っておきたいという方もいると思います。
もちろん自己判断なので止めはしませんが、入る場合は必ず一括見積りをとるようにしましょう!
知らないがゆえに搾取されないよう、無駄にお金を払わないよう、一括見積りで選択肢を広げることは非常に重要です。